F-16's Page
もう1機もコマンダー指定機 第176戦闘機中隊の中隊長指定機まで今回嘉手納に持ってきているというかなり気合の入った遠征のようである。115th FWは、2009年に創設60周年を迎えており 2015年は、創設66年目となる。ちなみに60周年の記念マーキングは、上の図のようにF-16Cの尾翼を青く染めミニットマンを描いたものであった。

1999年と2009年 それぞれこの部隊にとって50周年と60周年の節目であった。赤色基調と青色基調と言うまったく別のイメージでマーキングされたがどちらもミニットマンを描いた美しいデザインであった。F-16C 87-0234、F-16C 87-0278をイラストで再現してみた

上の写真撮影から10年以上経過して2015年2月、嘉手納基地で再び彼らと出会うことになった。2015年1月6日にウィスコンシン州空軍のF-16Cが、嘉手納基地に3〜4か月配備されると報道され、マニアは私も含め久々の珍客に大喜びであった。何せ12機もの機体と250名の兵員が長期にわたり駐留するとなれば、シャッターチャンスも多いというわけだ。報道によれば 1月15日午後3時46分に最初のF-16が到着して午後5時までには12機全機が飛来したそうである。多くのマニアがこの間嘉手納を訪れるであろうが 私も2月初旬に休暇帰国を予定していたため、嘉手納に3日ほど立ち寄ることにした。本来は、P-8Aの部隊交換でVP-45を撮るのが目的であったが 残念ながらメインターゲットの方は、部隊交代のずれ込みでほとんど成果が無かった。しかし F-16の方は、天候は悪いものの よく訓練をこなしてくれたのでそれなりに撮ることができた。
まず 従来のマーキングと異なるところは、尾翼の赤いチップラインに書かれている文字が、「Madison」から「Wisconsin」に変更されたこと。やはり 州都の名前「マディソン」より 州名をダイレクトに書き込んだ方が判りやすい。それと一部の機体に”アナグマ”が書き込まれていることである。どうも アメリカアナグマ(バジャー)は、州のシンボルらしい・・・州空軍の戦闘機は、多くの部隊が州の代表的動物を書き込むのが流行のようであるが このアナグマは、よく見ないとホントに何を書いてあるのか判らない!
115th FW 176th FS
今回飛来した12機のうち、4機にこのアナグマが書かれていたそうであるので、今後このマーキングが主流になるのかもしれない。
これらの機体以外で WI-345、WI-318、WI-275が確認されている。
上の写真から2年以上経過した2017年5月、コロラド州兵と共に嘉手納に飛来したF-16C/Dである。しかし 今回飛来した機体は、アナグマを書いていない。6機の内1機はノーマークの機体があったそうだ。私の目に映った前回と重なる機番は、87-0260だけである。
ウィスコンシン州空軍 第115戦闘航空団 第176戦闘機中隊(115th FW /  176th FS)のF-16C/D。ウィスコンシン州は、西にミシガン湖 北にスペリオル湖と接した自然豊かな州で酪農が盛んと聞いているが あまり日本人にはなじみの無い。森林が多くアメリカのスイスなどと言われ 全米住みやすい町のベスト5にも入っているようだが 州で有名どころとしてはミルウォーキーに本拠を置くバイクの老舗”ハーレー・ダビットソン”ぐらいかな。ミルウォキーといえばアメリカビールの発祥の地でもあった。有名なミラービールは此処に本社を構えていたのだ。州都は、建国の功労者で米国憲法草案にも関わったジェームス・マディソンの名前をつけたマディソン市である。ミルウォーキー市より全然小さいらしいが,州航空部隊はここに駐留している。以前はデーン群(Dane County)国際空港の一角を使用していたが,現在はトルアックス・フィールドの州空軍専用基地を本拠としている。 現在は F-16C/DのBlock-30を使用 18機編成である。F-16C/Dは、それまで使っていたA-10を更新したもので 1993年から更新が始まった。元々 第128戦闘航空団として長い歴史があったが、1996年1月1日に部隊名を第115戦闘航空団(115th FW)に変更している。
上の写真「WI-300」の尾翼付け根には、”115th Opperations Group”と書かれていることから 作戦長(副長)指定機のようである。

コロラドANGの120thFSの機体が6機 ウィスコンシンANG176thFSの機体が6機の計12機、2017年7月5日〜7日の3日間 午前と午後にそれぞれ1フライトずつF-15C/D 67thFSとのDACT訓練を行ったようだ。1フライトは、各飛行隊から計6機のF-16Cが参加していた。

前回の遠征と比べると装備品でより実践的なものが目についた。爆撃支援装置のLANTIRNポッドとALQ-131と思われるECMポッドの装備である。
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アナグマは、州旗や州章にも描かれているが、ウィスコンシンに特に多く生息いるわけではなく、アメリカ中西部に広く分布している動物で気性が荒く天敵はいないそうだ。昔の西部劇では、人がアナグマの巣に手を突っ込み大怪我をするというシーンが多かったが、この動物自分よりはるかに大きい熊にも大怪我をさせるほど気性が荒い。州旗にも書かれている炭鉱労働者風の作業員は、実は、鉛鉱山の労働者で鉛は、この地域の特産であった。彼らが「アナグマ」のようなトンネル生活をしてきたことから、この州のシンボルにアナグマ君が採用されたようである。司令官指定機の”278”に描かれているように アナグマの顔は、白い毛と黒い毛のまだらのラインだ。
10年以上前に撮影した「WI-288」や「WI-261」が今回も飛来しているので 部隊の機体交換は、ほとんどされずにきたようである。